石狩川を氾濫から守った男、岡崎文吉

[ 2018/10/01 ]


岡崎文吉の尽力無くして現在の石狩川はないとまで言われている。
(参照:米南部、記録的大雨で洪水。死者は少なくとも31人。)


image from 建設グラフのウェブサイト

北海道胆振東部地震など災害が絶えない今日の日本であるが、かつて北海道の石狩川では氾濫が多発していた。この氾濫から守るために活躍した人物に岡崎文吉がいる。

 石狩川は、石狩岳を水源として北海道中西部を流れ日本海へと注いでおり、流域面積は14,330平方km、利根川に次いで全国第2位の河川である。北海道開拓の歴史の中において度重なる洪水を繰り返しながらも、水運を利用した輸送の道として役割を担った。また、鮭漁などといった北海道ならではの歴史文化が刻み込まれていることから北海道遺産にも選定されている。しかし、ひとたび大雨が降れば、石狩川の姿は様変わりし、人々の生活を襲った。

 1869年当時、明治政府による北海道への移民政策が始まり、石狩平野は最大の入植地となった。蛇行する石狩川は頻繁に洪水を起こす原野であった。さらに1898年においては史上最悪の洪水が発生した。そんな中、北海道治水調査会が発足され、その中心として活躍したのが岡崎文吉である。岡崎は降雨量や河川水位等の調査を綿密に行い改修計画を練り上げた。また、独自の解析手法により、氾濫量の時間変化を算定した。このときの解析結果を得て建設された堤防などの構造物は現在も使われている。

 岡崎が手がけた石狩川最初の治水構造物となる単床ブロック護岸や生振捷水路は、土木学会認定の選奨土木遺産として残されている。かつて泥炭の原野であった石狩平野は数多くの豪雨を切り抜け、現在日本有数の穀倉地帯としてわが国を支えている。岡崎の尽力により石狩川・石狩平野の未来は開かれた。
 自然災害が多発する今、過去の技術者から何を学びどのように活かしていくのか、災害に向き合うための真価が問われているのかもしれない


関連する記事

アーカイブス

全国の小中学校で新生活様式に対応した水対策加速

全国の小中学校で新生活様式に対応した設備・水対策が加速 (参照:(株)オーシン 水に濡らして気化熱で冷やして使 [&he・・・

記事全文

茨城県つくば市 中央公園の池の噴水がよみがえる 中学生の提案で

茨城県つくば市 中央公園の池の噴水を再整備、池の透明度3倍に 中学生の提案 (参照: 文化庁 京都の近代化に貢 [&he・・・

記事全文

アサヒ 工場排水からのバイオガスを活用した長時間連続発電に成功

アサヒ 工場排水から発生するバイオガスで長時間連続発電に成功 (参照:宮城県漁協組合 原発処理水の海洋放出に反 [&he・・・

記事全文

西松建設(株) トンネル工事の水中ポンプの無人監視システムを開発

西松建設(株) 水中ポンプ無人監視システム「Newt」開発 トンネル工事の湧水対策で (参照:クボタ機工(株) [&he・・・

記事全文

赤穂化成 海洋深層水で幻の魚「サツキマス」を養殖、販売へ

赤穂化成 海洋深層水で幻の魚「サツキマス」を養殖、2020年9月より販売へ (参照:赤穂化成(株) 手軽にマグ [&he・・・

記事全文

渋谷駅 地下雨水貯留施設供用開始へ 再開発で整備

渋谷駅東口 地下雨水貯留施設供用開始へ 再開発で整備 (参照:大阪府 治水用の地下神殿「寝屋川北部地下河川讃良 [&he・・・

記事全文

宇都宮市 田んぼダム普及で水害に強い街づくりを目指す

宇都宮市 田んぼダム普及で水害に強い街へ 目標雨水貯留量を達成 (参照: 農研機構 農業用水路の流水熱をヒート [&he・・・

記事全文

福島県郡山地方消防本部 水難救助隊に水上バイクを導入

福島県郡山地方消防本部 水難救助隊に水上バイクを導入、配置式と訓練を行なう (参照: (株)セキド 水中スクー [&he・・・

記事全文

静岡県富士山世界遺産センター 富士山の湧水についての秘密に迫る企画展スタート

静岡県富士山世界遺産センター 企画展「富士山の湧水―その道のりと歴史」10/4まで (参照:(一社)海洋連盟  [&he・・・

記事全文

近畿地方整備局 天ヶ瀬ダムのトンネル工事完了で国内最大級の放流設備へ

近畿地方整備局 天ヶ瀬ダムのトンネル貫通、国内最大級の放流設備が完成へ (参照:国土交通省 ダム貯水の事前放流 [&he・・・

記事全文

ニュース一覧を見る


    PR