水の有効利用と食糧危機を救う技術『アクアポニックス』

[ 2018/10/05 ]


古くからの歴史を持つ技術が人類を水環境問題や食糧危機から救う可能性を秘めている。
(参照:野菜の育て方を変える。話題の水耕栽培ガジェット、「foop」。


image from 新電力ネットのウェブサイト

日本国内では人口減少に歯止めがかからないが、世界的に見れば人口は日々増加し食料危機が大きな問題となっている。そこで現在注目されている技術が「アクアポニックス」である。アクアポニックスとは魚の養殖と水耕栽培を組み合わせたシステムである。魚の排泄物が含まれた水槽の水を水耕栽培に与え食物の生育に活用している。食物の根が魚の排泄物(栄養分)を吸収して、水を浄化する。そして、浄化された水が再び水槽へと戻っていくというシステムである。

 アクアポニックスのルーツは古く、およそ1000年前に遡る。諸説あるが、最も古い事例は、現在のメキシコ地域、低地に住んでいたマヤ族が行っていた河の表面につくった”いかだ”上で植物を育てる農法がルーツと考えられている。植物の栽培場所は、浅い湖に浮かんだ島。運河や周辺の都市から栄養豊富な水が流れこみ、それを灌漑に利用していた。また、東南アジアでもタイやインドネシアでは、魚を用いた水田栽培が行われていた。
 その後、多くの改良が重ねられ米国において1990年代初頭に、ミズーリ州の農家が水槽にティラピアを泳がせ、そこから流れる栄養豊富な水を利用して、砂利を敷いた循環型の水槽で、ハーブや野菜を育てることに成功した。

水資源に乏しいバングラデシュや発展途上国のバルバドスにおいても盛んに利用されており、バルバドスでは家庭でのアクアポニックスシステム設置の促進が行われ、輸入食品への依存度を減らし食料危機への対策を図っている
 アクアポニックスは養殖した魚と水耕栽培で育てた野菜を一度で二度味わえることが最大の魅力である。また他の養殖技術に比べて、栄養豊富な汚水をシステム外に排出せずに循環させるため、環境に与える影響を大幅に減らすことができることからも今後の広まりに期待がかかっている。


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