東京都 下水から資源採取へ。下水汚泥からリン成分抽出実用化の検討へ

[ 2011/01/08 ]


2011年3月までに東京都では、下水汚泥を焼却した灰からリン成分を採取するプロジェクトの実用化の検討を行うこととなった。このプロジェクトは2008年から都と民間企業と共同し実証実験を行っていたものである。

下水汚泥の焼却灰には多くのリン成分が含まれており、それを取り出し有効活用しようという研究は各地で進められている。(参考:全国農業協同組合連合会 リン鉱石の代替原料として下水汚泥活用。新たな水ビジネスへ展開可能か)東京都では、江東区の砂町水再生センターに設置された仮設プラントで実証実験を続けてきた。

リンは、農業肥料の原材料として欠かせないものであり、日本は100%を輸入に依存している状況である。今回の東京都のリン採取プロジェクトが事業として本格稼動した場合、1年間に発生する下水汚泥4万トンから、3千500トンのリン酸カルシウムがが採取できる。これは、リン鉱石で換算すると日本の輸入量の6%相当に当たるものとなる。

リン鉱石アメリカ中国モロッコが産出上位3カ国であり、この参加国で世界の産出量の60%以上を占める。しかし、既にアメリカが資源枯渇を理由として輸出を禁じる措置を実施しており、中国でも輸出を規制する動きがでており、希少資源として価格の高騰、枯渇が危惧されるものとなっている。

事業化に向けて、プラントの建設、製造コスト、販売網の確立などの課題も多いが、厄介者であった下水汚泥が新たな鉱脈になる時代も近いのではと考えられる。


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