環境省、水質調査に新基準追加検討。「透明度」、「下層溶存酸素量」、「大腸菌数」で生態系、生物種多様化維持に配慮

[ 2011/03/01 ]


2011年2月27日までに、環境省では湖沼河川水質環境基準として新たに「透明度」、「下層溶存酸素量」、「大腸菌数」を2013年度より追加するための検討を開始した。この基準値の追加は、従来の公害による水質汚染重視から生態系など生物多様化維持を意識する方向の変換といえるものである。(参考:環境省の河川水質調査 環境基準達成率87.6%で過去最高

Crystal Clear

image from tata_aka_T

現在の水質環境基準は1971年に制定されたものである。当時は、公害問題などにより、工場廃水などの汚染に対する調査に重心がおかれていた。主に指標とされていたものは、水質の有機的汚染状況表す「化学的酸素要求量(COD)」、「生物化学的酸素要求量(BOD)」が代表的なものであった。しかし、現在は各地で水質の安定化が見られている。実際2009年度においては全国の調査対象となった海、湖沼、川の環境基準達成度は87%の高さとなっている。この達成率の高さが今回の基準の見直しに繋がった一因ではないかと考えられる。

今回の追加が予定される新基準は、生物多様化などの生態系に関し考慮した物となる。その新指標として検討されているものが「透明度」、「下層溶存酸素量」、「大腸菌数」である。透明度と下層溶存酸素量は、海、湖沼に適用。大腸菌数は河川と湖沼に適用するという方針である。
つまり、従来の基準をクリアしていたとしても、透明度が低いため、下層の水生植物の光合成に支障があることや、下層の酸素濃度が低いため、そこを生息域とする生物種が減少するなどのケースは、その問題が指摘される可能性が高くなることになる。

今後は単純な水質汚染というだけではなく、その水環境における生態系の維持も水質維持には大切な考え方となっていくであろう。


関連する記事

アーカイブス

国土交通省「ダムを見に行こう(秋号)」発刊

国土交通省は9月、平成25年6月以降第23回目となる「ダムを見に行こう(秋号)」を発刊した。 (参照:東北整備 [&he・・・

記事全文

滋賀 茨城ほか3県で「湖沼水環境保全に関する自治体連携」設立 世界湖沼会議で

滋賀県や茨城県を含む5県で水環境保全のため「湖沼水環境保全に関する自治体連携」を設立、世界湖沼会議で発表予定 [&he・・・

記事全文

長野原町役場、八ッ場ダム建設で消えゆく町の景色を動画とフリー素材で後世へ

長野原町役場、ジモフルやぱくたそと提携し、八ッ場ダム建設で消える町の姿を動画とフリー素材で後世へ残す (参照: [&he・・・

記事全文

JAXA、はやぶさ2「リュウグウ」にロボット投下を発表 水の存在を探る

JAXA、探査機はやぶさ2が小惑星「リュウグウ」に小型着陸機MASCOTを投下したことを発表。「リュウグウ」で [&he・・・

記事全文

ソニー、水中でも音楽が楽しめるワイヤレスイヤホン「WF-SP900」を発売

ソニーが水中でも音楽が楽しめる防水防じん機能搭載のワイヤレスイヤホンを「WF-SP900」10月27日に発売す [&he・・・

記事全文

全清飲、清涼飲料水の賞味期限表示を年月表示へ自主ガイドライン策定

2018年9月27日、全清飲が清涼飲料水の賞味期限表示を従来の年月日表示から年月表示へ切り替える自主ガイドライ [&he・・・

記事全文

現代につながる江戸時代からの上水

かつて世界最大の都市であった江戸から現代の東京に受け継がれている上水 (参照:東京都水道局、「東京水」のデザイ [&he・・・

記事全文

炭酸水・強炭酸の人気は定着化のきざし

炭酸水・強炭酸飲料は一過性のブームに留まらず、日常生活に溶け込みつつある。 (参照:サントリー食品インターナシ [&he・・・

記事全文

大阪の水族館「海遊館」 海水運搬船の座礁で海水供給ストップ

大阪の水族館「海遊館」、海水運搬船が座礁したため海水の供給がストップし人工海水で飼育 (参照:福島第一原発、台 [&he・・・

記事全文

水道水を充填したペットボトル水のモンドセレクション受賞が盛んに

日本の各水道事業体が発売しているペットボトル水が好評価を得ている。 (参照:日本の名水百選)[ 2018/10/11 ]

記事全文

ニュース一覧を見る


    PR