福島第一原発事故-放射性汚染水処理が進めば新たな問題が浮上、1億ベクレル/立方センチの「高濃度放射性廃棄物」の処理は「技術」も「法整備」もない

[ 2011/06/16 ]


2011年6月16日、東京電力は、福島第一原発に滞留している放射性汚染水浄化装置の本格稼働に向けた最終準備段階に入った。17日より高濃度放射性汚染水の浄化処理を開始する。すでに、放射性汚染水の移送先も収容能力の限界に近づいており、装置の本格稼働が急がれる状態である。しかし、装置が本格稼働した後には、生成される1億ベクレル/立方センチの「高濃度放射性廃棄物処理の問題が浮上してくる。
(参考:福島第一原発事故-放射性汚染水除去装置の試運転開始、18日からの本格稼働を目指す

日本の黙示録image from Abode of Chaos

東京電力では15日までに、低濃度放射性汚染水を使った浄化試運転を終了。放射性セシウムについては3000分の1まで除去できることを確認した。本格稼働後は放射性物質の濃度を1万分の1にまで除去できる見通しである。

この放射性汚染水浄化装置の本格稼働により、原子炉の冷却を外部冷却から内部の水のみで冷却する「循環注水冷却」に移行可能となる。浄化装置は本格稼働時のカタログ性能では1日に1200トンの処理が可能とされる。この通りの性能を発揮すれば3月末までに25万トンの放射性汚染水の処理が完了する。これにより、外部注水により、冷却すればするほど、放射性汚染水が増えるという事態は回避できる見込みだ。

しかし、浄化装置が本格稼働すると、新たな問題が浮上する。それは、放射性汚染水浄化の結果生成される「高濃度放射性廃棄物」の処理問題である。大量の放射性汚染水を処理した結果、生まれる「高濃度放射性廃棄物」も大量なものになる。この「高濃度放射性廃棄物」は現在の技術ではどのように処理すべきか明確な方法が確立していない。そして「法整備」もされていない状況である。

この「高濃度放射性廃棄物」は年末までに2000立方メートル発生し、その汚染濃度は、1立方センチで1億ベクレルという高濃度のものとなる。現在、この「高濃度放射性廃棄物」についての処理をどうするかについては、工程表にも記載がなく、今後の事故収束に向け大きな懸念材料となることは確実である。


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