埋め立て不能の高濃度放射性汚染・下水汚泥、スラグの行き場がない

[ 2011/07/11 ]


2011年7月10日、全国の自治体において、埋め立て不能の下水汚泥焼却スラグの行き場がない状態となっている。これは、6月16日に国土交通省が示した指針により、1kg当たり8000ベクレル以上10万ベクレル以下の下水汚泥焼却スラグは、放射性物質専用の処理施設が必要となったためである。このような処理施設をもたない自治体は、高濃度放射性汚染の下水汚泥、焼却スラグの処理が出来なくなっている。
(参考:下水汚泥・焼却スラグ問題、関東から中部・北陸まで拡散中、政府は指針を示さず-自治体は下水汚泥リサイクルの停止で対応に苦慮

南部スラッジプラントImage from 東京都

東京都では、大田区の南部スラッジプラントに焼却スラグ90トンがセメントによって練り込まれ保管されている。この焼却スラグは、6月中旬に最大で4万4000ベクレル/kgを計測しているため、国の基準では埋め立て不能となっている。都では個別ケースとして国との話し合いにより解決する方法を検討している。

神奈川県では、川崎市の入江崎総合スラッジセンターで、焼却スラグが最大1万3200ベクレル/kgを計測している。6月20日時点で424トンに達していたが、新たに浮島処理センター南側の市有地約7000平方メートルに保管場所を移すことで対応を行っている。

千葉県では、我孫子市の手賀沼終末処理場に保管してある焼却スラグ36トンとなっている。この焼却スラグは、最大で1万8370ベクレル/kgを計測しているため埋め立て不能である。この施設では7月中旬には収容限界に達するとしている。

栃木県では、宇都宮市の県下水道資源化工場に、焼却スラグ390トンが保管され山積みになっている。この焼却スラグは、7月6日に放射性セシウム、最大2万9000ベクレル/kgを計測しているため埋め立ては不能である。同施設は、8月中には収容限界に達するということで、県の関係者が苦慮している。

長野県では埋め立て処理可能なレベルの下水汚泥焼却スラグ360トンとなっている。放射性汚染埋基準値以下であるため埋め立ては可能であるが、搬出ができないなどの問題を抱えている。

このように、国土交通省の指針は出されているものの、結果として埋め立て不能となった下水汚泥、焼却スラグは行き場を失い、各自治体ではその対応に頭を悩ませている。


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