住友電気工業 海水淡水化の前処理コストを大きく削減できるTT(TEP Trap)装置の開発を発表

[ 2011/08/08 ]


2011年8月5日、住友電気工業株式会社は、海水淡水化の前処理コストを大きく削減できるTT(TEP Trap)装置の開発を発表した。RO膜の透水性能を低下させる生体外分泌高分子粒子(TEP)を効率良く除去可能なTT膜と、TT膜が捕らえたTEPの洗浄機構を組み込んだ装置となっている。
(参考:住友商事株式会社 水ビジネスのグローバル展開へ インド最大手ブイエーテック・ワバッグと戦略的提携契約締結

住友電工image from 住友電気工業

生体外分泌高分子粒子とは、多糖類から成るゼリー状物質であり、RO膜に詰まってその透水性能を低下させる。重量濃度は0.1ppmと微小なものであるが、海水中では膨張し、体積濃度は重量濃度の100倍以上となる。

海水淡水化技術に使用されるRO膜の前処理の段階で、微生物などの微粒子を除去する必要がある。この物質が海水に含まれたままRO膜による海水淡水化を行った場合、TEPによるRO膜の性能低下細菌繁殖などの原因となる。

前処理段階のUF膜MF膜を使用したろ過により、TEP除去は可能であるが、膜に付着するTEPのためその性能が大きく低下してしまう。そして、その性能低下を回避するためには大面積の膜が必要となり、結果として海水淡水化のコスト上昇を招くことになっていた。

今回、同社が開発したTT装置は、この問題を「TEP除去と高流量での処理を可能とする」、「海水淡水化の前処理に必要な膜面積を大幅に低減する」、「TEPを効率的に排出する洗浄機構を組み込む」という性能を実現することで解決した。その結果、従来のUF膜やMF膜を使用したろ過に比べ処理コストを半減させることに成功している。

今後同社は、TT装置の実証実験を推進し、2012年度の市場投入を目指すとしている。


関連する記事

アーカイブス

炭酸水・強炭酸の人気は定着化のきざし

炭酸水・強炭酸飲料は一過性のブームに留まらず、日常生活に溶け込みつつある。 (参照:サントリー食品インターナシ [&he・・・

記事全文

大阪の水族館「海遊館」 海水運搬船の座礁で海水供給ストップ

大阪の水族館「海遊館」、海水運搬船が座礁したため海水の供給がストップし人工海水で飼育 (参照:福島第一原発、台 [&he・・・

記事全文

水道水を充填したペットボトル水のモンドセレクション受賞が盛んに

日本の各水道事業体が発売しているペットボトル水が好評価を得ている。 (参照:日本の名水百選)[ 2018/10/11 ]

記事全文

水道法改正はあるのか

7月の国会を賑わせた水道法改正。今後、水道事業の民営化が進むのか注目が集まる。 (参照:株式会社日立製作所が2 [&he・・・

記事全文

水の有効利用と食糧危機を救う技術『アクアポニックス』

古くからの歴史を持つ技術が人類を水環境問題や食糧危機から救う可能性を秘めている。 (参照:野菜の育て方を変える [&he・・・

記事全文

石狩川を氾濫から守った男、岡崎文吉

岡崎文吉の尽力無くして現在の石狩川はないとまで言われている。 (参照:米南部、記録的大雨で洪水。死者は少なくと [&he・・・

記事全文

運河の大掃除!オランダで3,300円の「ごみ釣り観光ツアー」が好評

オランダで運河のゴミを小型ボートに乗ってすくう「ごみ釣り観光ツアー」が人気 (参照:プラスチックごみもCO2排 [&he・・・

記事全文

関西電力 IoTと気象データを活用し水力発電の運用効率化の研究を開始すると発表

2018年9月18日、関西電力はIoTを活用した水力発電運用効率化技術の研究を開始すると発表した (参照 :荒 [&he・・・

記事全文

東北整備局 成瀬ダム本体の着工開始、国内最大の台形CSGに

2018年9月15日成瀬ダム本体が着工スタート、国内最大の台形CSGが2024年度竣工予定 (参照:荒瀬ダム国 [&he・・・

記事全文

株式会社日立製作所が2018年10月よりIoTを活用した上下水道事業のクラウドサービスを提供開始

株式会社日立製作所は、IoTを活用した上下水道事業を支援するクラウドサービス「O&M支援デジタルソリ [&he・・・

記事全文

ニュース一覧を見る


    PR