【コラム】コロンビア 水上のスラムに、清潔な水がやってきた日

[ 2011/11/04 ]


※当記事は、非営利で国際的な医療や人道援助を行う民間団体「国境なき医師団(MSF)」様よりご提供頂いております。
(参考:【コラム】続・避難民キャンプに清潔な水を~日本人ロジスティシャンの活動から~国境なき医師団(MSF)

日本ではほとんど報道されることのない国、コロンビア。
この南米の国で、45年以上にわたる内戦が続いていることを、みなさんはご存知ですか?
国境なき医師団(MSF)は、1985年からこの国で、基礎医療はもちろん、外科治療や心理ケア、風土病の治療など、多岐にわたる医療を提供しています。

コロンビア中部にある、この国最大の港町、ブエナベントゥラでも、多くの人びとが戦火を逃れ、終わりの見えない避難生活を送っています
港には、銃器や麻薬などの積み荷が集まり、暴力的な事件の犠牲になる人びとが跡を絶ちません。また、この町の近郊に位置するミラマール村には水上に高床式の住宅が立ち並び、スラムと化しています。
密集した家々は、細い板をつなぎ合わせた通路を介して周辺の家や陸地とつながっていますが、その真下には十分な下水処理がされていないままの汚水が淀んでいます。およそ250世帯が暮らすこのスラムには、電気も上水道も引かれていないため、衛生状態は劣悪で、多くの子どもたちが皮膚病や下痢、腹痛などの病気に苦しんでいました。

 

MSFは、2009年末から14ヵ月の間、ミラマール村の人びととともに、水と衛生環境の改善に着手しました。

まず、ぼろぼろになっていた足場の板を頑丈なものに交換し、そこに水道管を沿わせました。今後の維持と管理方法を学ぶため、この作業は、地元の人びとも積極的に参加して実施されまた。
最終的には、すべての家庭に貯水槽が設置され、人びとは生活な水を入手できるようになりました。

住民の一人、ジェイはこう語ります。
「全くすごい変化です。  これまでは、水を汲むためにバケツを下げて、長い距離を往復しなければならなかったけれど、今では、水栓をひねるだけです!」

清潔な水は、人びとを健康被害から守るためになくてはならないものです。

MSFの水と衛生の専門家、フアン・カルロス・トーレスは説明します。
「このプログラムの最終目的は、水に起因する病気の罹患(りかん)率を下げ、生活環境を改善することでした。しかし、家々をつないでいた板を修理したことで、コミュニティ内の社会的な結束が強くなり、当初の目標よりもよい結果が出せたように思います。」

ミラマール村での成功を足がかりに、現在、ブエナベントゥラ近郊にある2ヵ所の地域で、同様のプログラムが進行しています。

貯水槽が設置される前は、不安定な足場を通って水を汲みに行かなければならなかった。コロンビア、2009年11月撮影。

Image from 国境なき医師団(MSF)

 

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