物質・材料研究機構 「放射性物質の吸着材開発」に成功 実用化に向けて

[ 2012/06/29 ]


独立行政法人物質・材料研究機構(NIMS)が、多くの細孔を持つ「メソポーラス物質」という新規材料で、放射性物質の吸着材を開発した。除染における利用に向け、実用化が進められている。(参照:東大生産技術研究所 放射性汚染水から放射性セシウムを吸着する「除染布」を開発


image from 物質・材料研究機構

今回吸着材の材料とされて注目が集まったのは、「メソポーラス物質」。多くの大きさ2~50ナノメートル程の孔(あな)を持つ、多孔性材料である。表面積が大きいことが特徴の、約20年前日本で発見された材料だ。

NIMSはそのメソポーラス物質を使って、溶液に含まれるヨウ素やセシウムなどの放射性物質を選択して捕まえ、除去もできる吸着材を開発した。開発したのは、元素戦略材料センターのエジプト人、シェリフ・エル・サフティ主幹研究員だ。

化学反応を利用して、目的の放射性物質だけを吸着するという同吸着材。シェリフ氏は「この吸着材は、選択性が高いのが特徴です。特定の物質しか捕獲しないので、塩分やミネラルが含まれている海水でも、目的の放射性物質だけを取り除くことができます」とコメントしている。

一方で、NIMSの国際ナノアーキテクトニクス研究拠点、山内悠輔独立研究者らは「プルシアンブルー」という顔料を用いたセシウム吸着材を開発した。

原発の放射性物質処理問題は、まだ続き、長期化が予想されている。今回の吸着材はいまだ実用化に向けては課題があるものの、除染システムへの新たな光として、今後が期待される。</p>


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