世界の水事情の今

[ 2010/07/24 ]


世界の水危機が深刻になってきているという話は何度か伝えていると思うが、この水危機を大きなビジネスチャンスと考える企業も多い。日本企業は、海水の淡水化技術下水の浄化技術において世界のトップにいる。この技術の根幹となっているのが逆浸透膜だ。世界シュアで70%を占め、今のところ日本の独占状態といっても過言ではない。

water

水ビジネス市場は「2025年には100兆円の巨大市場になる」(経済産業省)という見方もある。一方で、淡水化システム全体の運用まで含めた技術では水メジャーハイフラックスのような企業に一日の長があるという見方もあり、日本の技術が優れているということだけで、安閑ともしていられる状況ではない。

また、このようなビジネス熱の激化は、かつての石油危機のような事態が真水でも起きるのではないかと、懸念する見方もある。食料にせよ、石油にせよ、不足したときに真っ先に犠牲になるのは持たざる弱者だ。水危機に対し、水ビジネスを展開している企業はこう主張する。


「水資源の有効利用の設備投資をすべき、水道にアクセスできないのは、政治的な問題である」

この意見はある意味正しいし、決して間違っていないだろうが、一抹の不安が胸に残る。持たざる人を放置することは、持てる人の首をしめていくことと同義ではないだろうか。持たざる人が生きていくために手段を選ばなくなったときに、標的となるのは持てる人である。

それは国家間でも同じだ。持たざる国を放置することは、持てる国との軋轢を生む。その結果、持てる国の安全を脅かす危機へと繋がるかもしれない。人の歴史には、このような事例が山ほどある。この水危機がそのような危機につながらないように願う。


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