「過熱都市」挑む新技術

[ 2010/08/05 ]


都市部では「ゲリラ豪雨」や、「ヒートアイランド現象」が問題化している。都市部特有の気象現象が続発する中、日建設計、TOTOアベルコの技術開発だけでなく、他の企業でも、その対策のための技術開発が進められている。まず、タイル建材・水回り設備機器総合メーカーINAXは8月4日、豪雨対策の新素材を開発を発表。大手ゼネコンの鹿島は豪雨の予測システムを導入。中堅ゼネコンの戸田建設はミスト噴霧が可能な壁面緑化で都市部を冷やすことを目指している。都市部で豪雨に よる洪水やヒートアイランドによる熱中症が続発する中、技術をアピールし業績向上につなげる狙いもある。


INAXが発表した新素材保水セラミックスは、窯業廃土を再利用したものだ。窯業廃土は、タイルなどの原料となるケイ砂や長石の採掘時に利用されずに捨てられるものだ。保水率60%以上という性能により、ゲリラ豪雨による雨水を一時的に貯留。それにより、局地的な大雨が短時間で下水道や河川に流出することを抑制する。それにより都市型水害を防止する。また、晴天時には、貯留した雨水の蒸発冷却作用によって建物や周囲の温度上昇を抑え、ヒートアイランドを緩和する効果がある。同社は「東京23区のビル屋上で延べ50キロ平方メートルに設置されれば、100万立方メートルの雨水の流出を抑える効果がある」とする。コストは1平方メートル当たり2万~4万円と芝生以下に抑える方針で、ビル向けなどに売り込む。

鹿島では、局所的な豪雨による都市型水害を事前にシミュレーションするシステムを運用する。治水関連施設などを含めた治水対策や施設整備効果の確認にも適用できるため、民間企業や地方自治体などからの受注が増えている。

戸田建設は、東京農業大学の世田谷キャンパスにミスト噴霧が可能な壁面緑化の仮囲 いを7月に設置した。コンクリートや舗装路面で覆われ、ヒートアイランドが発生しやすい場所に囲いを設けることで、気温の急激な上昇を防ぐ。こうした取 り組みが都市部で広がれば、熱中症対策などにも一役買うとみている。

今年7月の平均気温は観測史上最高を記録。各地で最高気温が35度以上の「猛暑日」が続いた。7月24日には36都府県の152カ所で猛暑日を記録した。夏場の異常な暑さや豪雨を減らせる技術へのニーズに対応した、対策技術の開発競争も熱を帯びそうだ。



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