固体高分子型燃料電池の白金触媒、今後の開発は周辺の水分子最適化がカギに

[ 2013/12/20 ]


スタンフォード大学により設立されたSLAC国立加速器研究所の小笠原寛人スタッフサイエンティスト、イエンス・ネルスコフ教授、アンダース・ニルソン教授らが共同で行った研究で、燃料電池の性能向上のカギは、触媒として使用されている白金周辺の水分量であることが明らかになった。12月18日発行の英オンライン科学誌「Nature Communications」に掲載されている。(参照:水で発電できる水素燃料電池内蔵のポータブル充電器「myFC POWERCHARGER」発売

SLAC

image from SLAC国立加速器研究所

固体高分子型燃料電池は、自動車や携帯機器向けに開発が進んでいるが、正極の酸素還元反応の触媒活性が低く、貴金属である触媒の白金使用量が大きな課題となっている。また、この化学反応の詳細な分子機構が解明されておらず、問題解決に向けての大きな障害になっていた。

今回の研究では、軟エックス線高輝度放射光を用いた光電子分光実験装置を使用して、酸化還元反応中の正極を観測し、反応中間体の挙動が調べられた。その結果、水分子と結合した水酸基と結合していない水酸基が共存していることが明らかになった。加えて、電子状態の計算により、非水和水酸基経由の高活性な酸素還元反応経路と、水和水酸基経由の低活性な酸素還元反応経路の2種類の反応が存在することもわかった。

今後は、この研究結果をもとに、燃料電池の性能向上と白金使用量低減による低コスト化実現にむけて、白金触媒近くの水分量による酸素還元反応経路を分子レベルで最適化することが開発のカギとなるとみられている。


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