地下水は、規制から積極活用へ転換 国土交通省、非常用の水源や企業誘致に活用へマニュアル作り

[ 2010/08/21 ]



地下水は、規制から積極活用へ転換する。国土交通省は地下水を「水源」として活用するための研究を開始する。地下水は、利用を規制していたこの半世紀ほどの間に十分たまってきたという判断からだ。

国土交通省は今夏から、5~10カ所程度の監視井戸を対象に取水と地盤沈下の関係などを調査する。地盤沈下が問題となっていた関東平野、濃尾平野、筑後・佐賀平野などが対象だ。調査結果を元に、2年間の予定で、「地下水の管理基準」を作る。地盤沈下への注意を行い、地下水を管理、活用する方法をまとめ、全国の自治体へ配布する予定だ。

これは、渇水に悩む自治体には朗報だ。自治体や企業が一定の規模の地下水利用できるならば、非常用の水源、工場用水への利用など、様々な展開が可能だ。

「地下水量が増えてきた」

国土交通省によると、地下水の過剰取水て、1950年代以降、各地で地盤沈下が頻発した。そのため、行政は井戸の深さや断面積で制限するなどして取水を規制。地下水のくみ上げ量は現在、全盛期の3分の1程度に減少している。その結果、徐々に地盤沈下の問題は沈静化。更に、地下水の水位は上昇。東京では地下水の揚水規制が明らかに効果を上げている。1960年代に比べ地下水位が約20m回復した。国土交通省水資源政策課の担当者は、半世紀で地下水は元に戻った状態とコメントしている。

ただ地域差という問題がある。現実に、地盤沈下が現在進行中という地域もある。規制解除の対象は、地盤沈下が沈静化している地域や地下水を使用していない自治体だ。つまりは、このような自治体に地下水の利用を提案するのが目的だ。

日本の地下水総量は約13兆トンと推定。「地下水盆」という、地下水の自然タンクが全国主要なもので63箇所。関東平野や新潟平野などだ。しかし現在、かつての規制のため、国内使用の地下水は年間約120億トンであり、水の使用量全体の1割程度にすぎない。今後は有効な地下水の利用方法を模索していくことになるであろう。


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