パキスタン北西部の大洪水 清潔な飲料水が戻った町 「国境なき医師団」、被災者へ飲料水を供給

[ 2010/08/22 ]


2010年8月、パキスタン北西部を直撃した洪水は、各地で破壊の限りを尽くした。この洪水により、橋、道路、建物などのインフラは壊滅。そして、おびただしい破壊の後に新たな懸念が生まれている。飲料水を媒介とする疾患だ。「国境なき医師団」は被害の大きな地域で、地域社会を通じて被災者へ飲料水を供給している。


スワート郡にミンゴラという中心都市がある。この都市においても、今回の洪水の影響は深刻だ。人口40万の大半に対し、清潔な飲料水の供給が不可能となった。この地域では、毎年コレラ患者が出る。このような地域に住む住民に清潔な飲料水を供給することは大変重要なことだ。しかし、洪水により、地域の井戸水は汚染された。清潔な水を得るためには、住民は、遠方まで往復する必要がある。
スワート郡において、救援活動を続ける「国境なき医師団」は、湧水を見つけ、住民からの承諾を得て水を汲み上げる。それを、ろ過し、塩素消毒、という処理を行った上で、配布している。こうして、毎日20万リットルの水が配布される。これは、国境なき医師団とさまざまな国家および国際機関の協力によってなされるものだ。

また、ミンゴラに住む人の中には、まだ個人の水源を利用できる人もいる。、国境なき医師団は彼らに、発電機を数時間使用できることと引き換えに、飲料水を近隣の住民と共有してくれるように依頼している。地域の人びとからの反応は上々だ。特に給水トラックが到達できない地域の人びとには歓迎されている。現在では、モスク(イスラム教の礼拝堂)、学校、また個人が、清潔な飲料水を地元地域の人びとに提供してくれるようになったという。

洪水後、飲料水を媒介とする疾患の予防が、国境なき医師団にとっては最優先課題である。すでに下痢疾患の患者が急増している。その上、コレラはこの地域における風土病で、毎年患者が出ている。清潔な飲料水がなければ、コレラは、急速に広がる可能性がある。国境なき医師団の活動する病院に下痢疾患の患者が入院するときは、患者の情報を共有するためにその患者がどこの人間なのかを地図に記入している。

パキスタン各地の洪水被災地で、基礎的な援助物資だけでも人びとに届けるためには、より一層の活動が必要であることは疑いの余地がない。洪水の発生から2週間以上が経過しているが、あまりにも多くの人びとが、支援を求めている状況だ。



関連する記事

アーカイブス

株式会社クボタ、次世代の水道管を開発

パイプメーカーの株式会社クボタが新耐震管のGENEX管を開発した。 (参照:和歌山市、水道水の濁りで3万5千世 [&he・・・

記事全文

自然環境を破壊しない水力発電、「Cappa」

茨城製作所が開発した新しい水力発電「Cappa」 (参照:ライオン、排水リサイクルシステムを開発、自社の千葉工 [&he・・・

記事全文

ウォータージェン、空気から飲料水出来る装置の開発。

イスラエルの企業、ウォータージェンが空気から飲料水を作る装置を開発。 (参照:太陽光発電で空気から飲料水を作り [&he・・・

記事全文

和歌山市、水道水の濁りで3万5千世帯に影響

和歌山市、誤操作により水道水に濁り。3万5千世帯に影響。 (参照:霧島連山、硫黄山噴火。ふもと下流で2,4倍の [&he・・・

記事全文

福島第一原発、汚染水を巡り公聴会開催へ

福島第一原発の汚染水処理を巡り、今夏公聴会を開催することが決定 (参照:福島第一原発、台風の影響でで汚染水1万 [&he・・・

記事全文

アサヒ飲料、透明なのにカフェラテ?「アサヒクリアラテ from おいしい水」を新発売

アサヒ飲料、低カロリー・カフェインゼロ・脂肪ゼロのカフェラテ「アサヒ クリアラテ from おいしい水」を新発 [&he・・・

記事全文

成分は100%水の家庭用洗剤。「ウォータークリーナー」

成分が100%水の家庭用エコ洗剤、「クラスアッシュ ウォータークリーナー」発売中。 (参照:花粉を水に変えるス [&he・・・

記事全文

月に大量の氷か。月の隕石からその痕跡を発見。

東北大、月の隕石から月に大量の氷がある可能性を発見。 (参照:ブラジル、ブラジリアで第8回世界水フォーラム開催 [&he・・・

記事全文

霧島連山、硫黄山噴火。ふもと下流で2,4倍のヒ素検出。

霧島連山、硫黄山の噴火後、宮崎側の河川で2,4倍のヒ素検出も被害報告なし。 (参照:東京五輪、お台場会場で基準 [&he・・・

記事全文

新潟、「水と土の芸術祭」のパスポート前売り始まる

新潟で7月〜10月に開催される「水と土の芸術祭」。お得に回れるパスポート前売り発売始まる。 (参照:静岡・三島 [&he・・・

記事全文

ニュース一覧を見る


    PR