中国の経済成長を阻む壁 水資源の欠乏と安全保障

[ 2010/08/29 ]



先日、中国の実質国内総生産(GDP)速報値がドル換算ベースで日本を抜き、世界2位に浮上したとのニュースがあった。中には、すぐにでも米国を抜いて世界首位に踊りでるという予測のでは?という恐怖感に近い予測もある。しかし、一方でこの見方に反対する意見もある。高齢化、政治システムの限界、天然資源の枯渇など、中国の経済成長を阻む壁はいくつも上げることができる。その中でも、近年、その重要性が注目されているのが、水資源の欠乏だ。

中国では、河川地下水などの多くの水資源が汚染にさらされている。1人当たりの淡水備蓄量では、中国は米国の5分の1といわれる。北米は汚染されていない水資源が豊富である。そして、世界でも先進的な地域であり、水利用効率も高いといえる。しかし、中国にはそこまでの余裕は無い。もし、中国が経済成長、生活水準の向上を望むなら、今後もますます多くの工業用水、農業用水、生活用水が必要となる。これは、水資源の不足の中で、近隣諸国との軋轢を生みかねない問題も内包している。

この水資源が、不足すれば、当然のことならが、食糧生産、工業生産に関わる水の供給不足となる。そして、都市部における衛生的で、質の高い生活を維持するためには、豊富な淡水を十分に供給することが必要になる。

近年、中国は、近隣諸国との間で水資源の利用に関し多くの軋轢を生みつつある。この問題は中国の経済成長の問題だけではなく、東アジアから世界全体の安全保障の課題としても、今後も対策の研究が必要となるだろう。


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