国連環境計画、水環境法、生態系の維持に配慮した法整備を呼びかけ:世界水週間

[ 2010/09/20 ]


2010年9月7日、国連環境計画(UNEP)は、ストックホルムで行われている世界水週間において、「水管理法における環境配慮の強化(Greening Water Law)」を発表した。これからの人類にとって、最重要課題の一つは「水危機」である。この報告書は、「水危機」をいかに回避するか、その対策の一つとして、水環境への配慮をベースとした法令の整備を各国、各地域に求めたものだ。

報告書は、人類の生存だけでなく、他の生命を含めた生態系にも必要とされる淡水の枯渇、汚染の現状についても言及している。そして、途上国を中心とした人口急増。工業化、都市化により、飲料水を始め衛生維持、食料生産、経済開発の水需要が増大している。また、人類側の視点だけではなく、動植物にとっても、水はその生態系維持に欠かせないものだ。ここで、人類と他の生態系との間で「水の奪い合い」が発生するケースが増加してきているという。

たとえば湿地の生態系を維持することは、人類にとってもメリットの大きなものである。湿地は独特の生態系を有する希有な環境として知られているが、水の浄化や有害物質の除去の機能を持つなど、人類の経済的な得失から見ても利点が大きい。

当然のことながら、各国政府も単純に事態を傍観している訳ではない。淡水生態系とその周辺環境の永続、維持を考え、人間の生存や経済活動による水需要の増大に対応する方法を探っていることは確かだ。

この報告書「水管理法における環境配慮の強化」では、まず人間と生態系の両側面で水危機に対処するための法整備を必須のものとしている。先例として、オーストラリアパラグアイの「水管理法」がある。この取り組みは第一に人間の基礎需要を、第二に生態系の水需要と重要性を位置づけ、更にその他のすべての用途よりそれを優先させる、という内容である。

国連環境計画の2つの主要課題は、「生態系管理」と「資源の効率的利用および持続可能な消費と生産」である。今回の報告書も、この課題の実現のための活動の一環であり、環境維持と経済発展のバランスを維持しつつ、水利用を行っていけるように各国に呼びかけていくものとなっている。


関連する記事

アーカイブス

炭酸水・強炭酸の人気は定着化のきざし

炭酸水・強炭酸飲料は一過性のブームに留まらず、日常生活に溶け込みつつある。 (参照:サントリー食品インターナシ [&he・・・

記事全文

大阪の水族館「海遊館」 海水運搬船の座礁で海水供給ストップ

大阪の水族館「海遊館」、海水運搬船が座礁したため海水の供給がストップし人工海水で飼育 (参照:福島第一原発、台 [&he・・・

記事全文

水道水を充填したペットボトル水のモンドセレクション受賞が盛んに

日本の各水道事業体が発売しているペットボトル水が好評価を得ている。 (参照:日本の名水百選)[ 2018/10/11 ]

記事全文

水道法改正はあるのか

7月の国会を賑わせた水道法改正。今後、水道事業の民営化が進むのか注目が集まる。 (参照:株式会社日立製作所が2 [&he・・・

記事全文

水の有効利用と食糧危機を救う技術『アクアポニックス』

古くからの歴史を持つ技術が人類を水環境問題や食糧危機から救う可能性を秘めている。 (参照:野菜の育て方を変える [&he・・・

記事全文

石狩川を氾濫から守った男、岡崎文吉

岡崎文吉の尽力無くして現在の石狩川はないとまで言われている。 (参照:米南部、記録的大雨で洪水。死者は少なくと [&he・・・

記事全文

運河の大掃除!オランダで3,300円の「ごみ釣り観光ツアー」が好評

オランダで運河のゴミを小型ボートに乗ってすくう「ごみ釣り観光ツアー」が人気 (参照:プラスチックごみもCO2排 [&he・・・

記事全文

関西電力 IoTと気象データを活用し水力発電の運用効率化の研究を開始すると発表

2018年9月18日、関西電力はIoTを活用した水力発電運用効率化技術の研究を開始すると発表した (参照 :荒 [&he・・・

記事全文

東北整備局 成瀬ダム本体の着工開始、国内最大の台形CSGに

2018年9月15日成瀬ダム本体が着工スタート、国内最大の台形CSGが2024年度竣工予定 (参照:荒瀬ダム国 [&he・・・

記事全文

株式会社日立製作所が2018年10月よりIoTを活用した上下水道事業のクラウドサービスを提供開始

株式会社日立製作所は、IoTを活用した上下水道事業を支援するクラウドサービス「O&M支援デジタルソリ [&he・・・

記事全文

ニュース一覧を見る


    PR