全国農業協同組合連合会 リン鉱石の代替原料として下水汚泥活用。新たな水ビジネスへ展開可能か

[ 2010/10/25 ]


全国農業協同組合連合会(全農)出資の民間企業が、下水汚泥をリン代替原料として活用する実証試験に成功した。この成功を受け、下水汚泥の再利用、リンの自給率向上などの新たな水ビジネスへの発展が視野に入ることとなった。

この実験は、千葉県下水処理場から排出される下水汚泥の焼却灰を化学反応させることで、リン代替原料が抽出できたという。
下水汚泥に含まれるし尿は多くのリンを含有していることから、以前より、下水汚泥からリンを抽出する試みはなされていた。
2008年には、全国農業協同組合連合会が、下関三井化学、東芝などとの研究により、下水汚泥からのリン回収率を高めることに成功したニュースがあった。今回の千葉県での下水汚泥からのリン回収は、その延長線上における実験ではないかと思われる。

今回の実験は一応の成功とのことであるが、汚泥を排出する処理場によっては、基準値より多い鉛を含むことがありまだ課題は残る。ただし、この課題も研究が進めばクリア可能なものだという。現時点では、千葉県側として正式に事業化するかどうかは未定とのことだが、今後も実用化に向け、継続して協力するとのことである。

リンは農業生産に欠かせない肥料原料となる。しかしながら、ほぼ100%を海外からの輸入に依存しているのが現状である。昨今の食料自給率の向上の声が大きくなっている中、農業の根本を成立させる肥料の状況についても理解する必要があるだろう。

今後、この技術が確立し、リン鉱石の代替化が可能となれば、それは下水汚泥を活用した新たな水ビジネスを生み出すということにもなると思われる。


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