日本の原発安全行政のシステムに問題あり-IAEAが報告書で指摘、また国際的な海洋汚染監視体制の発足も

[ 2011/06/06 ]


2011年6月1日にIAEA(国際原子力機関)より日本政府に対し、原発安全行政のシステムに問題ありと指摘した。現場の必死の努力を高く評価している一方で、日本政府原子力安全行政に関しては「独立性」、「役割の明確化」の面で大きな問題を抱えており、改善の必要があるとしている。また、IAEAでは、中国オーストラリアの提言を受け海洋の放射線汚染に関しては国際的な監視体制の構築の準備に入っている。
(参考:海洋放射線汚染に警戒感、国際原子力機関がコメント-文部科学省、水産庁が調査体制強化を発表

IAEA

image from IAEA

日本の原発に対する安全対策は、原子力を推進する組織も、それを監視し規制する組織も経済産業省の管轄となっており、独立性に問題があるという点が挙げられる。

それぞれを担当している資源エネルギー庁も、原子力安全・保安院も確かに経済産業省の下部組織である。この点で、どうしてもチェックが甘くなるのではないかという指摘を受けるのは避けられない。今後は、組織の改編を含め原子力行政の再編を行うことが必須となる。この点については6月20日から24日に開催されIAEAの閣僚級会議に資料として提出される。

また、海洋汚染に関しては、様々な動きが出てきている。IAEAでは中国オーストラリアなどの提言を受け入れ、環太平洋諸国の近海の放射線測定データを共有し、長期的な監視体制を作ることを構想している。この構想は6月6日のIAEAの理事会で承認されるとみられている。このような海洋汚染に対する国際的な動きは福島第一原発事故の海洋汚染の規模が大きく、各国が不安感をもっていることの表れであるといえる。

政府では海洋汚染に対しては海外からの巨額賠償を防ぐために「原子力損害の補完的補償に関する条約」への加盟を検討している。現在までは「原発は安全ある」という神話と、日本が被害者になった場合を想定し、日本人の被害者が不利になる条約である点で、加盟が見送られていた。しかし、ここにきて、海外からの賠償請求に対し、外国の算定基準のまま賠償をしなければならない状況は極めて危険であると判断したと思われる。


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